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デザインと写真とテクノロジーと生活。

枠の中の世界

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Illustratorで作業を開始する時、まずはじめにRGBで作るか、CMYKで作るかを決める。RGBだと多くの色を表現できるが、それはディスプレイ上のもので印刷する色は少し変わる。印刷を前提にするならCMYKである。
それを差し置いても、印刷されたものと、ディスプレイに映されたものとでは、やはり何か大きな違いがあるように感じる。表面の質感とか距離とか解像度とか、理屈でいろいろ説明することもできるのかもしれないが、感覚的なところを大事にしたい。


電子的なディスプレイが登場する前のことを考えると、人間はRGBによって構成された色を見ることが出来なかったはずでる。その時代の人間にとって、色は光るものではなかった。夜になるとあらゆる色は黒に近似した。人間の身体の物理的変化なしで、認識することのできる色が増えたと考えると、ちょっとおもしろい。

 

先日、部屋の蛍光灯を交換した。10年間使って暗くなってきたためである。蛍光灯には電球色、昼白色、昼光色というのがあり、電球色は文字通り電球のようなオレンジ色、昼白色は太陽光に近い色、昼光色は青みがかった人工的な色である。最初、昼光色を買った。そうしたら、眩しくてしかたがなく、翌日昼白色に交換してもらった。電気屋には感謝している。光らないものは太陽とか照明とか、何らかの光源の影響を受ける。印刷物も周囲の影響を受けている。対してディスプレイの枠の中では異なる光がそれ自体から発せられている。その枠の中には違う世界がある。

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